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- 教室からのお知らせ
① 婦人科がんに対する新規化学療法開発の他施設共同臨床試験を主導。
当教室では、国内の他施設と積極的に協力体制をとり、JCOG(日本臨床腫瘍グループ), JGOG(婦人科悪性腫瘍研究機構)が執り行う多施設共同臨床試験を主導してまいりました。これらの成果として早期子宮体がんに対する妊孕性温存治療を世界に発信した成果(JCO2007)がその代表例です。更に海外のグループとも共同して臨床試験を遂行しています。これからも婦人科腫瘍グループでは世界に発信する日本発のエビデンスの構築に積極的に協力してまいります。
②婦人科がんに対しての低侵襲の腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術、そして開腹の拡大手術まで幅広く施行。
• 卵巣がん:卵巣癌は疾患の特異性から腹腔内に多発性播種転移をきたすため、手術で腫瘍の完全切除が生命予後を左右します。そのため、初回手術や術後化学療法後の手術で腫瘍の完全切除を達成することが非常に大切です。当科では完全切除を達成するための拡大手術(骨盤腹膜切除、他臓器切除、横隔膜剥離術、傍大動脈リンパ節郭清術など)を積極的に施行しています。
• 子宮体がん:適応のある方には積極的にロボット支援下手術や腹腔鏡手術を施行しております。また、重症肥満患者に対しては、当大学形成外科と協力し、腹壁脂肪切除術+脂肪吸引術と開腹子宮悪性腫瘍手術を同時施行し、術後の整容性確保に努めています。
• 子宮頸がん:平成30年4月から広汎子宮全摘出術を腹腔鏡下手術で保険診療のもとで行える体制を構築しております。開腹、腹腔鏡による広汎性子宮全摘術では、手術時の骨盤内蔵神経損傷による術後神経陰性膀胱が手術関連有害事象として問題となります。当科では、この有害事象を軽減すべく適格症例に対しては、積極的により精密な神経温存手術を施行しております。
③充実した研究環境
・当教室では臨床で感じた疑問点を、すぐに基礎研究で実証する体制を構築しております。現在、教室研究室内にはReal Time PCR, フローサイトメーター、次世代シークエンサーといった基礎研究室レベルの最先端の機器を揃え充実した研究環境が完備されており、充実した研究環境が構築されています。婦人科腫瘍グループは、現在、子宮頸部胃型腺がんの網羅的遺伝子解析、子宮体癌の薬剤抵抗性遺伝子発現の検討、化学療法抵抗性の低分化型子宮体がん、卵巣明細胞腺がん中のがん幹細胞の分子生物学的解析、microRNAを用いた新規治療法開発の研究を行っております。
④他職種の専門家による充実したカンファレンス。
当教室でのカンファレンスは、婦人科スタッフのみならず、婦人科専門の病理医、放射線診断医、看護師が参加して各種専門家による他職種連携のもと最良の治療方針を検討しております。